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2012年2月 5日 (日)

古沢和宏「痕跡本のすすめ」

その本にしかない、唯一無二の物語。

今日は読み終わった本の話。

古沢和宏さんの「痕跡本のすすめ」を読み終わったので、ここにて紹介。

痕跡本に関しては過去にこの日記でも紹介しましたが、それから三年。

ついにその痕跡本についての本を出版されました!それがこの本「痕跡本のすすめ」です。

実際の痕跡本を写真で紹介しつつ、それに古沢さんがその痕跡を自由な発想で読み解いていく、というのがこの本の基本的なスタイル。

ときどき、「痕跡物語」として痕跡本に沿ったオリジナルの小説が挟まったり、コラムがあったり。

この本には、取り上げられた本の内容にはほとんど触れていません。(痕跡に関わるもの以外。痕跡に関係するものもかなり大きな書き方しかしていない)では、何故この本が夜に出版されることとなったのか?

それは古本の価値観に一石を投じるものであったことが大きいと思います。

美品でなければ買い取れない、貴重書であれば価格が上がる、という従来の古本業界にあった流れに加え、(古沢さんの私見ではありますが)「本を所有しない」スタイルがお茶の間レベルまで浸透したことにより、傷や書き込みのある本が価値のないものとして扱われていました。

しかし、痕跡本はそういった傷や書き込み、挟み込まれたものを通して、元の持ち主を想像し、その物語に価値をつけるというもの。時にそれは唯一無二の本になることと言い換えてよいでしょう。ただ書き込まれていればよいわけでもない、ただ傷や「やけ」があっていいものではない。痕跡本の価値を決めるのは本、痕跡、すべての要素を含めて元の持ち主のことを想像できる余地があるか、ではないでしょうか。

図版も交えて紹介される痕跡の数々は時に異様な力を持ち、時に人の心を温かくさせる。だいぶ変わった本の楽しみ方を提唱してくれるブックガイドです。

よろしければ手にとって、読んでみてください。

余談ですが、僕が手に入れたジュンク堂では、この本は「文章論」のコーナーにおいてありました。読書論と文章論の境目な感じもするけど、どう思われますか?(笑)

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