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2009年4月20日 (月)

あなたの非力なナイト

昨日はわけあって書けなかったので、今日に。
辻村深月さんの『ばくのメジャースプーン』文庫版を読み終わりました。
今回も、重くて、切ない物語でした。
珍しく、ネタバレありで書きます。

ものすごく荒い形で作品を説明するなら、幼なじみの女の子を救うため声を使って悪意と戦う少年の物語。…もしくは、幼い愛の物語、か。
主人公の「ぼく」は特殊な能力を持っている。特定の伝え方をすることで『相手の潜在能力を引き出す呪い』をかけられる能力。それも、ある意味で脅迫のような形で。
「Aしないさい、さもないとBという罰を受ける」みたいな言い方をイメージしてください。この能力を使って、幼なじみの心を壊した存在と向き合う。
向き合う相手は小学校で飼われていたウサギを切り刻んで殺した医大生。自分の命にも執着がない、面白いからという理由で事件を起こした男。
この事件の第一発見者が幼なじみ女の子。本来なら「ぼく」がなるはずだったのだが、体調不良で幼なじみの子がなってしまった。惨状を目の当たりにした彼女は心に大きな傷を負い言葉を失った。その子を助けるために、「ぼく」は犯人と対峙し、自分の能力を使うのだが…。
ミステリの系譜であるメフィスト賞を取りデビューした辻村さんですが、ミステリよりはエンタテイメントだとの見方もあるそうです。実際、講談社文庫の紹介には「エンターテイメント界に現れた期待の新人」とあります。個人的には今作もミステリだなと感じます。エンタテイメント、が自分の中で確立してないからだと思いますが。
ところで、この作品では過去の辻村さんの作品とリンクするところが何箇所かあります。
これもネタバレなので伏せてますが。(笑)
まずは、「ぼく」の持つ能力を解説する先生は秋山一樹。肩書きは『D大学教育学部児童心理学教授』とある。『子どもたちは夜と遊ぶ』に登場した「秋先生」。
あの作品中ではっきりしなかったある点について、今作に登場することで明かしているのです。
また『子どもたちは夜と遊ぶ』に出てきた人物も何名か出てきます。名前は明かされませんが会話で誰かは想像できるはず。そして、この作品の時系列も。
僕は気がつきませんでしたが『凍りのくじら』ともリンクしているそうです。(文庫版解説より)また未読なので自分にもネタバレですが『名前探しの放課後』とリンクしているそうです。
この作品はただのミステリではないと思います。ざっと書いた中でははしょってますが、この作品で描かれていることの大半は非常に現代的な問題を描いています。非常にリアルに感じたのは起きた事件が昨今の凄惨な事件と近いからかもしれません。
読み終わったときにもう一度考えてしまいました。

久しぶりにつたない文章書きました。乱文ご容赦いただければ。

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